クリニックの課題を解決する「クリニック経営コンサルタント」の役割

クリニックを開業しても、経営していく中で様々な問題が発生します。

そのような問題を解決するための参謀として経営コンサルタントという存在がいることをご存知でしょうか。

意外と知られていない「クリニック専門の経営コンサルタント」とはいったい何をしてくれる専門家なのか、具体例も交えながら解説したいと思います。

クリニック経営コンサルタントとはどんな人?

「クリニック経営コンサルタント」

このように言葉で言われても、具体的な仕事内容を想像できる人は少ないと思います。

なぜならコンサルタントは誰でも名乗ることができ、かつコンサルタントのスキルは個人に紐づいており、同じ会社に所属していても人によってできることが異なるためです。

また、出自もバラバラです。

事務長経験のある方、コンサル会社出身の方、集患を得意としているweb界隈出身の方、金融機関出身の方、税理士といった士業の方など、多種多様な背景を持った方がコンサルタントとして活動しています。

クリニック経営コンサルタント

あくまでも肌感覚になりますが、個人クリニックの規模であれば集患を得意とするコンサルタントが非常に多いイメージです。


また、マネジメントや労務管理、組織改善、立て直し、経理などを行うコンサルタントは少ないというのが実感ですが、どのような背景を持っていてもクリニックの課題を解決するために活動する専門家というのは共通するところです。

クリニックにおける経営コンサルタントの役割

現場でよく聞くクリニック経営に関する課題として

クリニック経営に関する課題

  • スタッフとのコミュニケーションを取るのが難しい
  • スタッフが退職しそう
  • ドクターや看護師、医事スタッフを採用したいけど応募がこない
  • 集患、増患したいがどうしたらよいのかわからない
  • 業務が増えて院長一人で運営するのが難しい
  • 何か運営に関するアドバイスが欲しいのだけど、相談できる相手がいない

など、クリニックの数だけ課題があるものです。

ただし、コンサルタントと一言でいっても提供できるもの、対応方法に決まりはありません。

例えば、

外部からアドバイスや指導をするコンサルタント

実際に現場に入って改善をするコンサルタント

幅広いジャンルに対応できる総合的なコンサルタント

集患など専門分野に特化したコンサルタント

などコンサルタントによって特色が異なりますが、今抱えるクリニックの課題に対して一緒に解決できるコンサルタントに出会えれば課題が早く解決できるばかりではなく、思いのほか院長自身の負担も軽減されます。

そんな経営コンサルタントの選び方や注意点について記載します。

経営コンサルタントと事務長代行の違い

クリニックに対する経営コンサルタントと事務長代行の大きな違いは現場を知っているか、もしくは現場で実務をしたことがあるかどうかという点だと思います。
中には現場上がりの経営コンサルタントもいらっしゃいますが印象としては少ないです。
間違いなく言えるのは、両者ともクリニックの課題を解決するために存在していると言うことです。

一般にコンサルタントは外部から施策の提案を行い、その過程を検証しながら成果が出るようにアドバイスしていくのが仕事です。一方、事務長代行は組織の中に入り込むため、組織の人間として施策を考えるだけでなくスタッフや取引先を動かして実行まで行います。

院長が外部の知恵を借りて自分で主体的に行っていきたいという場合は経営コンサルタントがベターだといえ、外部の知恵を借りつつできれば手数も借りたいという場合は事務長代行がベターと言えます。

ただし、事務長経験のある方がコンサルタントとして外部からの施策提案を行うのは難しくありませんが、現場の実務を知らないコンサルタントの方が内部に入って実行まで手伝うのは難しいと断言できますのでご留意ください。

執 筆 者 紹 介

山本 健太郎

株式会社スピアヘッド

医科・歯科問わず複数のクリニックにて事務長代行として事務長を兼務。
事務長代行業務では採用やスタッフの定着(離職防止)を得意とし、関与したどのクリニックでも6ヶ月以内に組織を安定化させている。同時にクリニックの収益改善も行い、売上では昨対で130%を達成し、医業利益を昨対で1,500万円改善した実績を持つ。
近年は人手不足、採用難からスタッフの動向に左右されにくいクリニック運営を推進しており、属人性を排除した業務体制を構築し、その一環としてセレプト作成代行業務を請け負っている。