クリニックのレセプト業務を外注するメリットと注意すべき点

クリニックのレセプト業務を外注するメリットと注意すべき点

クリニック運営にとって、とても大切な「レセプト業務」。
院長をはじめ、スタッフが投じた労力を売上に変換する業務であるレセプトは、精度次第で売上そのものが大きくブレてしまいます。

院長ご自身でレセプト業務をすべて出来れば問題ないのですが、

診療

採用や退職を含めたスタッフの労務管理

その他の様々な経営にまつわる業務

などの業務に追われているお忙しい先生も少なくありませんので、院長がレセプトをすべて把握するための時間を捻出するのはかなり難しいと思われます。

また、レセプトをスタッフにすべて任せる場合、スタッフとの関係性が良好なうちは問題ありませんが、その関係性が崩れてきた場合に問題が起こりやすくなります。

例えば、レセプト業務が医事スタッフの独占業務であると勘違いをした医事スタッフが現れた場合などは、業務の一部放棄や退職を背景に、スタッフの意見を飲まざるを得ないといった本末転倒のような状況のご相談をよくいただきます。

近年では、レセプト請求業務の負担を軽減しようと外注する医療機関も増えてきました。

外注化で失敗しないためにもレセプト請求業務を外注するメリットや注意点について、まずは知っていただきたいと思います。

レセプト業務のよくある相談例「院長のお悩みや不安・・」

レセプト業務の外注化のご相談いただく場合、院長が抱えるお悩みとしては大きく2つあります。

Doctor 1

医事に任せっきりで取り漏れがあると思うのだけど、日々の診療などで忙殺されていて確認することができない

Doctor 2

医事スタッフがおらず、また育てるのが難しい。今は自分(院長)でやっているが外注できるものならば外注したい

1つ目の悩みでは、医事スタッフはいるが、レセプトがきちんと出来ているか院長が不安を抱えている状態です。
この場合、運営上の問題はさほどないと感じるものの、細かく医事スタッフの管理がしきれないために不安を抱いていたり、また気付いていたとしてもそこまで強く言えない院長もおられます。
そのため、取り漏れなどが発生し、結果的に想定よりも低い売上になっているということがあります。

2つ目の悩みはどちらかというと、スタッフの定着率が低いクリニックで多く見られる傾向です。
スタッフの定着率が低いと、クリニックで培った文化や業務水準が人が入れ替わるごとに失われていき、徐々に出来ることが減っていきます。
レセプトに関しても同様で、スタッフが入れ替わるごとにレセプト経験の浅いスタッフしか採用できなくなり、どんどん算定の質が下がる傾向にあります。
結果的にスタッフマネジメントに加え、これまで出来ていた業務ができなくなったことにより院長の負担が増え、診療に注力できないという状況になります。

さらに、採用を行っても医療事務を希望する人の母数が激減しており、経験ある医事スタッフを雇用する難易度は以前にもまして高くなっています。

こういったお悩みを解決する手段の一つとして、「レセプト業務を外注する」という方法があります。

クリニックのレセプト業務を外注するメリット

プロの目線による算定を行う「レセプト業務の外注化」がおすすめなのは、算定漏れ・取り漏れの不安、医療事務の不足にお困りの医療機関です。

外注化するメリットとしては、

レセプト業務を外注化するメリット

  • 取り漏れ・算定漏れが防げる
  • 返戻・査定が減少する
  • 医事スタッフの採用の難易度が下がり、教育コストも下がる
  • 診療報酬改定などの情報を得られるため、最新の情報をキャッチアップできる

など数多くのメリットがあります。

算定漏れ、取り漏れだけでなく、過剰検査も防げる

レセプト代行サービスは、一般的にレセプトに長けたスタッフが行うため、算定漏れ、取り漏れが防げます。

また、時々みかけますが過剰な検査によりコスト倒れになっているものも防ぐことができます。結果的に売上だけではなく、コスト改善も期待することができます。

返戻・減点が減少する

レセプトを点検していると、よく指摘をするのが病名の付け方についてです。

病名の数、主病名の数が多すぎたり整理できていなかったり、付け方が不適切で査定があることも少なくありません。

レセプト代行の業務水準として可能な限り”保険者審査に通るレセプトを作成する”ことを心掛けています。そのため、返戻や査定、減点を減らすことが可能となります。

医事スタッフの採用の難易度が下がり、教育コストも下がる

レセプトを外注する際の副次的効果ですが、医事の業務が日常の受付及び会計及び諸業務に限定されます。多少レセプト知識が必要となる業務はあるものの、多くはアルバイト・パートさんで回せる業務となります。

そのため、経験者を採用する必要がなくなるばかりでなく、医療スタッフをこれまでのように育てる必要もなります。

レセプト業務を委託する場合の注意点

レセプト業務を委託する場合、委託先がどのような形で点検しているかをチェックする必要があります。

チェックポイント

  • 電子カルテに付随するソフトありきで点検をしているのか
  • 1枚1枚目視で点検をしているのか

医療機関が求めているのは算定漏れなどのチェックだけではなく、どういう医療行為及び算定方法が適切なのかまで指導してくれる委託先です。

電子カルテに付随しているチェックソフトありきで代行業を行っている事業所だと時には物足りないと思われる場合もあります。したがって、委託先の業務体制及び経験がどのようなものなのかは最低限確認する必要があると言えます。

また、代行業者のサービス形態も様々です。

クリニックに出向いて行う事業所

インターネットを介してオンラインで完結できる事業所

在宅診療のみや入外等も対応している事業所

など様々な形があります。

在宅はオンライン完結、一般的なクリニックの場合は出向いて行うことが多い印象ですが、一般的な診療所でもオンラインで完結しているところもあります。

特にオンプレ型の電子カルテであっても電子カルテメーカーに問合せをすることでオンラインで完結できる場合もあります。

レセプト代行のサービス形態の違い

訪問型オンライン型
一般的な診療所ほとんどがこのタイプ・開業時など患者数
・レセプト枚数が少ない場合に多い
・レセプト枚数が月間1,000枚以上のクリニックではほとんどない
在宅診療
(漠然としている)
少ないほとんどがこのタイプ

レセプト作成代行サービスのご紹介

私たちスピアヘッドでも「レセプト代行サービス」を提供しております。
レセプト請求業務を外注化することで、「クリニック運営上の心配事を減らし、院長の目指す診療体制を作る」ことができます。

作業を行うメンバーは、健康保険組合や市町村国保などで保険者の算定指導を行っているメンバーを中心にレセプト代行を請け負っておりますので、目視によるチェックで保険者の目線で保険者審査に通るレセプトを作成するのが特徴です。
また、クリニックだけではなく、有床診療所、病院でも指導実績があり、深い経験と知見を元に請け負っています。

さらに、オンライン型でサービスを提供することで、
これまでも北海道、宮城、福岡など全国各地のクリニックのレセプト代行を場所を問わず対応しています。

また、保険者審査に強いレセプト点検指導も行っております。

執 筆 者 紹 介

山本 健太郎

株式会社スピアヘッド

医科・歯科問わず複数のクリニックにて事務長代行として事務長を兼務。
事務長代行業務では採用やスタッフの定着(離職防止)を得意とし、関与したどのクリニックでも6ヶ月以内に組織を安定化させている。同時にクリニックの収益改善も行い、売上では昨対で130%を達成し、医業利益を昨対で1,500万円改善した実績を持つ。
近年は人手不足、採用難からスタッフの動向に左右されにくいクリニック運営を推進しており、属人性を排除した業務体制を構築し、その一環としてセレプト作成代行業務を請け負っている。